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胡蝶をどり日記

9月7日 第六十回、舞踊華扇会

2012年9月 7日

目に見えない大きなものが身体全体にのしかかって来るような、薄曇りの早朝。

最後の仕上げに、夜明け前の稽古場で雪を舞いました。

舞台の無事を観音様に祈り…楽屋入りです。

 第60回華扇会[雪]宗山流胡蝶 場内.JPG

第60回の華扇会、開演前の場内はとても華やかに浮き立っています。

 第60回華扇会[雪]宗山流胡蝶 ロビー.JPG

ロビーでいつもの記念の一枚。

胡蝶は演目にちなんで、黒地の絽縮緬に雪輪の訪問着にしてみました。

要も扇も芸者さんにしか見えず… 派手すぎます!

 第60回華扇会[雪]宗山流胡蝶 中暖簾.JPG

国立劇場はじめ、大きな本格的劇場の楽屋は必ず[内暖簾]と、[表暖簾]を二枚掛けます。

とっさに表からの御客様がいらっしゃって着替えている奥が見通せないようにするためです。

 楽屋履き.JPG

これは今日履き下ろしの楽屋草履です。フェルトを重ねて、畳を乗せたものです。

むかしから新派の[湯島境内]のお蔦や、[不如帰]の浪子と云う様な役は、必ず[フェルトの草履]を履いていました。軽くて音がせず、優しい履き心地です。

浅草辻屋さんの特製。胡蝶の名前を焼き印してくれたのは、下駄娘、正恵です。

ちなみに、草履のサイズは22.5センチくらいです…?[ 実は巨大 ]

暖簾、鏡前、楽屋履き…一つ一つの細かい身の回りの物が、舞台出演の重圧感を軽減してくれているんです。

 

富山清琴先生の楽屋へ御挨拶していよいよ舞台へ…

第60回華扇会[雪]宗山流胡蝶 開演直前.JPG

もうこうなると俎板の鯉状態です。

15分の静寂と勝負。

 第60回華扇会[雪]宗山流胡蝶 夜会巻き.JPG

燭台の灯が虚ろに揺れます。

場内ぎっしりの御客様。

少々客席が静まりませんが…

そこは心を無にして集中力を高めます。

第60回報知新聞 舞踊華扇会[雪]宗山流胡蝶.JPG

傘を開く音もころして、前半は特に慎重に。

中盤戦の山場は胡弓が入って来る[雪の合い方]がとても重要。

 第60回華扇会[雪]宗山流胡蝶 燭台.JPG

国立劇場の[本吊り(ほんつり)]と云われる半鐘は屈指の音色です。

遠くから聞こえる『ゴォン~~』の音色は千両ですよ。

 音と舞の世界。地唄ならではの重厚な静寂の時が流れます。

胡蝶の雪には後半、一度だけ傘を開く[パチン]の音を三味線の合間を縫って聴かせる処があります。

心の糸が『プツン』と切れたと云う表現です。

これも一つの音楽です。

なかなか御客様には気付いて頂けない演出です。

 第60回華扇会[雪]宗山流胡蝶 蝋燭.JPG

何と云ってもこの[雪]という演目… 女の深い[哀しみ]と[孤独]のみを表現する演目ですので、笑顔など微塵もない一幕。

さぞや皆さま、心気臭い思いで耐えられた事と存じます。

 第60回華扇会[雪]宗山流胡蝶 如源.JPG

今日も[本夜会]と、[如源]の帯の織り出しが胡蝶の後ろ姿を支えてくれています。

いよいよ舞い納め… 

というくらいの時に…ようやく心と体が一体化してくるんですよ…これが…

 第60回華扇会[雪]宗山流胡蝶 富山清琴.JPG

富山先生、人間国宝の音色… 勿体のう御座いました。有難う存じました。

そして、御来場の皆様… さぞ息苦しい15分であられました事と御察し申します。

そして様々な音をかき消すのに御協力頂きましてありがとう御座いました。

第60回華扇会[雪]宗山流胡蝶 楽屋前.JPG

華扇会の舞台に立たせて頂いた本日の全ての皆様に、心より御礼申し上げます。 

 

撮影 下駄娘&桃

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コメント(1)

胡蝶先生の楽屋は のれんも実にあでやかですね。
要さんも扇さんも 美しいと思いましたよ。

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