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胡蝶をどり日記

2016年5月の日記

5月31日 三社祭から酒田へ

2016年5月31日

初夏の江戸の風物詩、三社例大祭…本来五月の第三週の週末が三社祭りだったのですが…

何と今年は、伊勢志摩サミット開催の為、警備の都合上…

一週間繰り上げての開催となってしまいました。

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毎年、チャマも私も浅草西町会の氏子であり、祭礼委員にも名前を連ねさせて頂いておりますので…

何をさし置いても三社祭には参加させて頂いておりましたが…

昨年から第二週目にお受けしていた、千川流家元追善公演の舞台が決まっておりましたので…

一週間前倒しになったお祭りと日程が重なってしまい…

今年は、金曜日の宵宮 [前夜祭] のみの参加となってしまいました。

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毎年とても楽しみにしていた年に一度の三社祭でしたが…

今年はとても残念です。

七時をすぎると宵宮も最高潮に達します。

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雷門の提灯が上げられ、御神輿が門をくぐる姿は三社祭ならではの景色です。

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半纏姿の伝法院正恵です。

 

こちらは観音裏の料亭瓢庵での三社祭の組踊…

浅草の芸者衆が祭りの日程に合わせて様々な余興を披露するお座敷踊りです。

浅草組踊り前夜祭 (49).JPG

二年ぶりに現場復帰した、花街の母 聖子姐さんです…

 

こんな華やかな三社祭の浅草を出発…

一路山形県、酒田へ

会場の市民会館からは雄大な鳥海山を望みます。

千川会 宗山流胡蝶 (62).JPG

胡蝶とは三十年来の大親友、千川流二代目家元 千川貴楽さんの御母堂…

千川流初代家元、千川貴鳳先生の追善舞踊会です。

 

何と今回、千川さんのたっての御所望とあって…

桃チャンの [梅川] を上演させて頂く事となりました。

千川会 桃 (27).JPG

この演目は、桃渾身の一曲で、顔が忠兵衛、衣裳が遊女梅川…

という、超珍品演目で御座います。

開幕当初は、水を打ったように静まり返って…

真剣なまなざしで舞台を見つめる客席…

梅川が被っていた手拭を脱いだ瞬間の衝撃と云ったら…

唖然呆然の客席…

 

しばしの沈黙の後…

『これは笑って良い演し物なのだ…』と…客席全体が気付いたときのどよめきと言ったら…

凄まじいもので御座いました。

かくして、全ての演目がこの一曲にさらわれていった瞬間で御座いました。

千川会 宗山流胡蝶 (66) - コピー.JPG

胡蝶は[江戸恋絵巻]と[恋蛇の目]をトークを交えて上演させて頂きました。

千川会 宗山流胡蝶 (53).JPG

いつ御尊顔を拝し奉りましても、神々しい山門先生であります。

千川会 宗山流胡蝶 (65).JPG

今回のゲスト出演のメンバーです。

写真向かって左から、英御流寿二 二代目家元

山門大扇家元、

生ビールを王子こと…汎之丞さん

桃、

そして胡蝶の隣が会主、千川流二代目家元 千川貴楽さんです。

日頃から仲の良いメンバーですですからとても楽しかったです。

 

終演後行われた打ち上げ…

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挨拶をする千川さんです。

お酒が進むにつれて…

千川会 宗山流胡蝶 (73).JPG

本番よりも物凄いパワーで…

お流儀の皆さんが会場で踊りまくります。

この後も二次会、三次会と酒田の夜は更けて参りました。

 

後日、伝わってきた話によりますと…

桃チャンの梅川を見終わってロビーに出てきたお客様が…

『やっぱり東京の踊りは、違うね~っ』 とつくづく言っていたそうです。

なんだか複雑ですね…

5月25日 宗山會 後編

2016年5月25日

前回に引き続き、第十八回宗山會、三越劇場の御報告を申し上げます。

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胡蝶の立ち役はお馴染みの[大江戸浅草花太郎]から、[深川マンボ]を御覧頂きました。

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数え切れない程の上演を重ねていますが…

毎回思ったように体が動かず…

肉体の衰えと、踊りの奥深さを思い知らされます。

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メンバーは初演以来の、要と扇の三人で勤めさせて頂きました。

第十八回 宗山會 宗山流胡蝶 三越劇場 (75).JPG

 

今回特別出演の花柳琴臣さんに御披露頂きましたのは義太夫の[日本一の桃太郎]

目にも爽やかな若草色の色紋付です。

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軽妙な素踊りで桃太郎、お爺さん、お婆さん、猿、犬、雉、赤鬼青鬼を楽しく演じ分けて頂き、客席を魅了して頂きました。

 

昨年師範を披露した宗山流皐月さんの[阿国恋姿]

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元禄風俗の衣裳で、艶やかに出雲阿国に扮します。

手で桜の花びらを受ける振り事です。

 

そして大和楽の演目、[恋の菅笠]は宗山流翔さんの挑戦です。

第十八回 宗山會 宗山流翔 お夏 三越劇場.JPG

里の子に桃、倭がお勉強させて頂きました。

それにしても大きな里の子です…

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見せ場は、無邪気な里の子と哀れなお夏との対照的な表情を織り交ぜて演出してあります。

清十郎に離れたお夏の悲しみ、狂気を体全体で表現します。

本来このような演目は、[狂乱物]と云う分野の演目です。

とてもドラマティックな一幕です。

宗山流翔、渾身の一幕でした。

 

何とも微笑ましい親子の姿。

第十八回 宗山會 宗山流蘭 三越劇場.JPG

宗山流蘭さんの楽屋見舞い… 娘さんとの一枚です。

溢れる笑顔が眩しいですね。

舞台だけでは無く、客席にも楽屋にも感動のシーンが溢れます。

 

今回珍しく細い体で立ち役に挑戦した宗山流巽さんの[淡雪権八]

追っ手を逃れ、吉原にほど近い雪道で小紫を想います。

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幕切れには追っ手の縄に掛ります…

歌舞伎の[其小唄夢廓]を題材に、創作致しました。

 

そして今回の桃は…[獅子]です。

格式ある三越の舞台に合わせてきっちり真面目に踊ったのですが…

ても表情、目つきはいつもの桃なのですが…

お客様からは体調が悪いのでは無いかという噂が出てしまうほど…

獅子 桃.JPG

真面目に踊ったのではお客様の期待に沿えなかったのでしょうか…

微妙で御座います

本人たまには真面目に踊りたいので御座います…

でも大切なお客様が…

世間様がそれを簡単には許さないのであります。

 

宗山流蝶吉さんは、大和楽の [雪折竹] を上演しました。

第十八回 宗山會 宗山流胡蝶 三越劇場 (148).JPG

しっとりとした [舞] の世界に挑戦です。

この楽曲は大和楽の中でも、もっとも地唄の香を色濃く止めた一曲と云えます。

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静かな舞台に、燭台の灯がひらめきます。

静かで繊細な動きの中に、情念と恋心を反映させます。

抑制された振り付けから滲み出る心の襞を御覧頂きたいです。

幽玄の世界ですね。

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誰よりも落ち着き払って、集中力の高さをうかがわせます。

蝶吉さん、新境地開拓です。

 

宗山流葵さんは江戸の夏祭りを題材に、[大江戸喧嘩花]を…

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立ち役から女役まで幅広く挑戦してきました…

役柄の幅の広さで言ったら…宗山流一番と云っても過言でないでしょう。

テンポよく、粋な雰囲気を出してくれました。

 

そして、宗山流の母、秀が[夢千代日記]を上演させて頂きました。

前段は夢千代が座敷で踊っている場面です。

英邑流家元 英邑秀 夢千代 (2).JPG

座敷で踊っているうちに病気が悪化して倒れる…

という演出だったのですが…

あまりのリアルさにお客様騒然…

楽屋で次の着替えをしている間、お客様は…

『きっと秀さん、本当に具合が悪くて倒れてしまって…救急車かしら…』

と皆さん心配されていたそうですが…

全て演出です。

英邑流家元 英邑秀 夢千代 (1).JPG

舞台は変わって夢千代の部屋。

命の灯火がまさに絶えようとしている風情です。

 

そして今回も、俄か仕込み甚だしいチャマの即席女形…

本人のたっての希望で [黒田武士~酔って候]を大胆にも上演させて頂く事となりました。

第十八回 宗山會 宗山流胡蝶 三越劇場 (150).JPG

前半の黒田節で、幕開きの一瞬だけお辞儀をしている時にシャレで裃を装着しています。

でもこうやってみると、節分の豆撒きの役人みたいですね。

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全く呆れかえった事に…2、3日の一夜漬けで…

前日になってバタバタとを携行して当日は筋肉痛とやら…

女形の帯がきついとやら…

衣裳が汗で張り付いて片肌脱ぎがしにくいとやら…

蝶ノ介 酔って候 (16).JPG

稽古不足を棚に上げて、文句ばかりは人の十倍です。

それでも無責任なお客様の褒め言葉に…

本人有頂天です。

大変な… 今夜もチョイとご機嫌さんです…

兎にも角にも… 何とか勤め上げました。

 

場内アナウス

『ご来園のお客様に申し上げます…

舞台上の蝶ノ介に無用の褒め言葉、エサは与えませんようお願い申し上げます~ッ 』

 

そして扇さんは [たまゆら] を遊女で表現します。

第十八回 宗山會 宗山流扇 たまゆら 三越劇場 (83).JPG

遊女の前帯は、華やかですがとても踊りには邪魔なものです。

身振り手振りを制約されてしまうので…

顔には出しませんが相当困惑しますよ…

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打ち掛けは夜桜に篝火です。

幻想的に…

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どうです…この見事な海老反り…

もはや二つ折りの一歩手前です。

お見事で御座います。

 

宗山流要も[かもめの街]で遊女です。

遊女と云っても色々あります。

第十八回 宗山會 宗山流要 かもめの街 三越劇場.JPG

こちらの遊女は岡場所の女です。

庶民的な髪型に半纏姿…

仇な風情を演出しています。

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舞台は港町にほど近い須崎の遊郭をイメージして捜索してみました。

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ちあきなおみの歌唱力…素晴らしいですね。

要さんも表現力では負けていなかったですよ。

 

そして今回、特別出演頂いている花柳琴臣さんと一緒に踊って頂くのは…

大和楽の[夜の梅]です。

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こちらは、役者の藤十郎にちなんで今回お梶の半襟にも刺繍をしました。

これは皆様御存知の[お梶]の原作となっているものです。

夜の梅 花柳琴臣 宗山流胡蝶.JPG

 

あらすじ

京の芝居茶屋、宗清の女将お梶は人気役者藤十郎とは幼馴染の仲。

近頃芸に行き詰まった人気役者の坂田藤十郎は、近松門左衛門の書き下ろしの新作[大経師昔暦]の興行で起死回生を図ろうとしています。

題材は[不倫の恋]藤十郎は不倫経験がなく、どう演じていいのかわからない。

一人、役作りの試案に苦しむ藤十郎

 

夜の梅 大和楽 宗山會 (2).JPG

 

そこに…幼馴染の人妻、お梶が現れた。

早速偽りの恋を仕掛ける藤十郎…

夜の梅 宗山流胡蝶 花柳琴臣 (2).JPG

 

昔から憧れを抱いていた、藤十郎の告白とはいえ…

 

夜の梅 宗山流胡蝶 花柳琴臣 (1).JPG

 

今では嫁いで宗清の女将であるお梶の心は揺れ動きます。

夜の梅 大和楽 宗山流胡蝶 花柳琴臣.JPG

役者としてはヒントを得るものの…

不義の誘いに乗ってきたお梶に恐れをなして逃げる藤十郎。

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座敷に置き忘れていった近松門左衛門書き下ろしの[大経師昔暦]の芝居の台本に気付くお梶…

純真一途なお梶は騙されたことを知ってしまうのでした。

 

何とも微妙なストーリーですね。

それに眉の無い胡蝶…

恐ろしゅう御座いますね

この世の者とも思われません…

舞踊としても華やかな見せ場があるわけではない演物なので…

本当に大変でした。

お互いの微妙な心の動きがお客様に的確に伝わら無くては…

全く面白味のない演目に仕上がってしまいますので。

初めての夜の梅… 今後の課題として精進させて頂きます。

 

最後の総踊り演目は、大和楽の[かしく道成寺]でした。

第十八回 宗山會 宗山流胡蝶 三越劇場 (173).JPG

入れ替わり立ち代わり、総勢二十五人の人間があのコンパクトな三越劇場の舞台に踊るのですから…

想像を絶するものがありましたよ。

 

かしく道成寺 宗山流胡蝶 三越.JPG

 

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[かしく道成寺]を今回はメドレー形式で出演者全員で踊らせて頂きました。

御覧の通り凄い人数でしょっ

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かしく道成寺には、花柳琴臣さんにも御出演頂き花を添えて頂きましたよ。

 

何とか無事に第十八回宗山會も、7時前に千秋楽致しました。

御来場の皆様、今回も本当にありがとう御座いました。

毎回ありきたりのお礼の言葉しか申し上げられず…

感謝の気持ちをうまく伝えることは難しいのですが…

舞台はお客様あってのものです。

心より御礼申し上げます。

 

そして、大和楽の皆様、鳴り物の梅屋巴社中の皆様…

スタッフの皆様、出演者各位、本当にお疲れ様で御座いました。

 

来年の宗山會は、ホームグランドの浅草公会堂にて

5月の28日 [日曜日] に決定致しました。

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5月23日 第18回 宗山會 三越劇場

2016年5月23日

今回の宗山流本会は、歴史ある日本橋三越劇場で開催させて頂きました。

現場でのリハーサルが出来ないままに、本番突入でした…

第十八回 宗山會 宗山流胡蝶 三越劇場 (19).JPG

楽屋が手狭なために、…楽屋の通路に茣蓙を敷き詰めて衣裳の着付け場にしました…

幕開けは宗山流正胡の名披露目口上から開幕です…

第十八回 宗山會 宗山流胡蝶 三越劇場 (88).JPG

客席からのお客様の熱気が緞帳の向こうからも伝わってきました…

いよいよ11時

開幕です…

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会場全体に三越劇場ならではの昭和の古風な雰囲気が漂います。

第十八回 宗山會 序幕 (13).JPG

現在の口上は、名披露目の本人も御挨拶をさせて頂きますが…

歌舞伎などでも戦前までは本人が一言もしゃべらずに、座頭や師匠などがお披露目のご挨拶をするという、とてもシンプルなものだったそうです。

そして口上に引き続き、蝶ノ介さんの[千代の寿]

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二週間前に若扇先生の追善の舞台で踊らせて頂いた演目をリベンジでした。

それにしてもなんでこんな怖い目つきで踊るんでしょうね。

まるで本物の極道の目つきです…

怖すぎます…

修羅です。

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何を寿ぐと…こんな目つきになるんでしょうか…

理解に苦しみます…

第十八回 宗山會 宗山流胡蝶 三越劇場 (4).JPG

そして、舞台はがらりと変わり、所は江戸日本橋にちなんで…

粋な五月の風情を芸者づくしで御覧頂きました。

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勿論舞台の真ん中には日本橋です。

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昨年秋の浅草公会堂での[日本橋から]バラバラ事件以来の再挑戦です。

実はこの演目、振り付けが細かい上に、早間[テンポの速い曲]なので…裾を引いて群舞で揃えるのは至難の技なのです。

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そして、要、扇は[大江戸花ごよみ]を…

今回で三回目の上演ですが…

中盤戦からはお亀ひょっとこのお面を被って…等の難易度の高い構成になっている為、気を抜くことのできない一曲です。

片肌脱ぎの襦袢には宗山流の定紋と江戸文字が大きく染め抜いてあります。

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そこに再び胡蝶が割って入って…

このコーナーの締めくくりに近づきます。

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[皐晴江戸日本橋] さつきばれえどのふりだし

麻の企画物を御紹介させて頂きました。

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左から宗山流もみじさんの[島田のブンブン]

宗山流蝶香さんの[新六段くずし]

宗山流環さんの[海鳴り]

皆さんそれぞれに表現力豊かな新舞踊で技を競います。 

第十八回 宗山會 宗山流胡蝶 三越劇場 (15).JPG

そして倭は…

何と十年ぶりに[たけくらべ]を再演…

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白地に井桁の着付けに赤縮緬の板締めと云う染めの如源の昼夜帯を角出しに絞めて…

下町の娘の恋心を表現します。

特に前半は、下駄を履いて踊っていますから安定感を出すのが大変です。

 

そして貫禄の惠リンは[女春雨破れ傘]を初挑戦。

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踊りはその曲その曲によって色々な難しさがありますが…

特に [粋] を表現すると云う事がとても難しいのです。

踊りで言う肉体表現の[粋]とは、無駄を省き、完結した動作の中に、清潔感のある色気が漂わなくてはいけません。

 宗山會 宗山流惠 女春雨 三越劇場.JPG

まさにこの曲はその[粋]の塊の様な曲です。

今後、回数を重ねて粋を追求していって頂きたいと思います。

 

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こちらは出番を待つ熟女三人組。

こちらの三人組は、粋の世界とは正反対の [雅] の世界を表現する演目で華を競います。

全くかけ離れたジャンルの演目で皆様にお楽しみ頂くのが宗山會の大きな特徴の一つですね。

一言に踊りと云っても、本当に沢山の世界観があり、人間像がありますので…

一曲一曲が全く違う味わいをお楽しみ頂きたいですね。

左から [舞曲雪月花] の宗山流凛さん

[妖艶恋桜花] の遊さん

[女の舞] に挑戦する宗山流蘭さんの出番待ちです。

暖簾の隙間から顔を出す…楽屋の幽霊です。

狭い楽屋の通路は、衣裳を付けた出演待ちの皆さんでごった返していますよ。

 

こちらは宗山流薫さんの [船宿] の舞台です。

宗山流薫 船宿.JPGのサムネール画像

驚きの若々しさですね。

裾引きでの横座りはとても大変なことなんです…

 

そして胡蝶は前半戦の締めくくりとして[胡蝶演歌舞踊の世界]の着替えです。

第十八回 宗山會 宗山流胡蝶 三越劇場 (78).JPG

今回新誂した縞に扇面を華やかに散らした裾引きです。

チャマは若旦那風の縞の着流しで上機嫌です。

先ずは [さざんかの宿] から踊らせて頂きました。

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季節柄冬の曲なのですが…

皐月の季節にふさわしい曲が沢山出揃っているので…

あえて季節感を無視して選ばせて頂きました。

季節感を重視しすぎると似たような曲ばかりが集まってしまう恐れがありますので…

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帯は、これ又季節感にこだわらず…

天紅の文字散らしの塩瀬の丸帯です。

又この帯が…結び方によっては前にも後ろにも柄の出にくい…

大変難しい帯です。

 

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後半は[しのぶ]にチャマが相手役を勤めます。

シラッと勤めていますが…

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突如登場するのが… 皆様お待ちかねの桃…

巨大夜会巻きストーカーは女の出現に場内騒然

勝手に男性の手先を自分の胸ぐらに突っ込みます。

様々に女性の妖艶さを魅せる桃…

すっかりその美しさに酔いしれる蝶ノ介

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最後は…

かくの如き…恥ずかしいポーズで緞帳となります。

蝶ノ介の視線の先が絶妙な位置をとっていますね。

日本舞踊の領域を超えて…

舞台芸術の領域を超えて…

未知の世界へと羽ばたいていく二人です。

お客様も、共演者も…

第十八回 宗山會 宗山流蝶ノ介 三越劇場 (86).JPG

人生いつ何処にこのような恐怖の桃が…

忍び寄ってくるとも限りませんので…

ご注意下さいませ。

 

こちらは宗山流蝶の [別れ歌] です。

宗山流蝶 三越.JPG

昭和ポップスの中島みゆきを代表する名曲ですが…

現代的な表現が難しい演目です。

持ち味の音感の良さで、若さ溢れる一幕になりました…

 

次回、後半編に続く…

5月17日 第18回 宗山會 準備編

2016年5月17日

今回の宗山流本会は、初めての試みとして三越劇場で開催させて頂きました。

恒例の浅草公会堂、昨年の明治座の大舞台とは一味違った三越劇場での舞台に挑戦です。

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個人演目のお稽古に加え、1ヶ月ほど前からは企画演目の合同稽古に入りました。

浅草の宗山流のお稽古場は、三越劇場の本舞台とほぼ同じ大きさです。

と云う事は…

ほぼ同じ小ささという事で御座います。

お稽古の時には何とかなりましても…

この後に大和楽の生演奏が入り、出演者も裾引きの衣裳を切るのですよ…

本当に三越劇場の寸法に二十五人の総踊りが上演可能なのか…

一か八かの大勝負で御座います。

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そして、大和楽の生演奏を招いての浅草公会堂集会室でのツボ合わせ…

宗山會 かしく道成寺 ツボ.JPG

もう本番を想像しただけで…呼吸困難になりそうです。

 

衣裳や小道具も次々と仕上がってきました。

雪折竹 宗山流.JPG

こちらは、宗山流蝶吉さんが大和楽の[雪折竹]で使用する舞扇です。

浅草の扇司、東扇堂の別誂えです…

 

こちらは、いつもの宗山流の籠文字では飽き足らずに…

文字のサイズを巨大化させてのバージョンで染めてみました。

胡蝶所蔵 衣裳 (1).jpg

粋で大胆な仕上がりになりました。

乞うご期待です。

宗山流衣裳 (2).JPG

ちなみに今回は黒地を使用させて頂きます。

 

そしてこちらは、今回藤十郎の恋を題材とした大和楽の名曲[夜の梅]で藤十郎が使用する羽織です。

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当時は特に羽織の裏などに贅を尽くした時代です。

人気役者の藤十郎ですから、羽織の裏を満開の藤を友禅で染めました。

胡蝶所蔵 衣裳 (2).jpg

今回は、振り付けの中で、この羽織の裏を見せる演出をしていますのでお楽しみに。

 

そしてこれは、相手役のお梶の前掛けです。

宗山流衣裳 (1).JPG

胡蝶が以前から使用していたお梶の前掛けは二種類程あるのですが…

一番気に入っていたものが時代物の江戸縮緬だったので…

膝が当たる部分が経年劣化してボロボロになってしまいました。

今回時代布の黒留袖で新調した鳳凰の時代縮緬の前掛けです。

 

1日の舞台が出来上がるまでには本当に沢山の支度が必要です。

宗山流門弟のそれぞれも各自目標を定めて本番に挑みます。

振りに磨きをかける方…

ダイエットに励まれる方…

体力づくりに励まれる方…

夜毎に飲酒にふける方…

それぞれの本番を迎えます。

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花柳琴臣さんと御稽古後の… 反省会です。

 

第十八回、宗山會 三越劇場の御報告は近日させて頂きます。

お楽しみにお待ち下さいませ。

5月5日 若扇美和徳追善 第35回若扇会

2016年5月 5日

風薫る端午の節句…

爽やかなゴールデンウィークの一日、皆様いかがお過ごしでしょうか。

胡蝶は七日の第十八回宗山會を目前に、慌ただしく支度に追われています。

今日はそんな合間を縫って、先月の24日に開催されました…

若扇流家元、若扇美和徳先生の追善舞踊会の様子を御案内致しましょう。

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胡蝶のブログでも昨年より書かせて頂いておりますので…

若扇流家元、若扇美和徳先生の事はご承知の事と存じますが…

宗山流創流以来、二十年の間、公私にわたって本当に親しくお付き合いさせて頂き、お世話になった先生を偲んで…

若輩ながらこの私が、今回の追善舞踊会の発起人、開催責任者として大役を勤めさせて頂きました。

 

そもそも [追善] とは、故人を偲び、

その面影を改めて思い起こし、

記憶にとどめるという事です。

 

若扇流家元追善 宗山流胡蝶 喪服.JPG

その生前の若扇流家元、若扇美和徳先生を慕う皆様が、早朝から想像を上回る行列で会場入り口に並ばれました。

ほんの一瞬の間でしたが、入口ロビーでお客様をお出迎えさせて頂き…

ロビー周りを確認させて頂きました。

若扇流家元追善 立ち見客席.JPG

今回は開演前から緞帳を上げ、舞台に銀屏風を立て廻し、美和徳先生の[夕霧]の写真を掲げさせて頂きました。

実はこのパネルのお写真…胡蝶が手持ちの素人カメラで楽屋で撮影させて頂いたものです。

御来場のお客様を、美和徳先生が舞台の上からお出迎えするといった形です。

若扇流家元追善 宗山流 (184).JPG

まずは開演に先立って御挨拶をさせて頂きました。

開演時から大入り満員立ち見の客席は…

美和徳を慕うお客様の熱気に満ち溢れ、緊張に包まれていました。

 

若扇流家元追善 宗山流胡蝶 楽屋暖簾.JPG

御挨拶には、昨年のディナーショーでお披露目をさせて頂きました胡蝶蘭の小振袖に…

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黒繻子の如源の丸帯を締めさせて頂きました。

 

序幕のごあいさつに引き続き、序開きには生前の若扇美和徳家元が、毎年の若扇会の幕開きに必ず上演されていた[千代の寿]を…

何と、宗山流蝶ノ介が勤めさせて頂く事となりました。

蝶ノ介は、若扇美和徳には大変お引き立てを頂き、国立大劇場、明治座、浅草公会堂と…

数え切れない程の記念の舞台でお相手役を勤めさせて頂き、貴重な修行の場を頂戴致しました。

その数々の貴重な舞台への感謝の気持ちを込めて踊らせて頂きました。

若扇流家元追善 宗山流蝶ノ介 (188).JPG

初演で勤めさせて頂きました為に、まだまだ未熟な舞台では御座いましたが、

とても意義のある、記念の幕開けを経験させて頂きました。

若扇流家元追善 宗山流蝶ノ介 胡蝶.JPG

何とか、緊張の幕開けを勤めさせて頂き、安堵の子表情です。

ちなみに、この[千代の寿]は、七日の三越劇場の宗山會での序開きでも…

心を込めて踊らせて頂く予定で御座います。

 

宗山流惠も[艶姿恋絵巻] を踊らせて頂きました。

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ありがたい事に御縁がありまして、惠リンもここ数年、若扇会に出演させて頂き…

貴重なお勉強をさせて頂いて参りました。

近頃、芸も体型もすっかり貫禄がついて参りましたね。

 

そして桃ちゃん…

追悼の寂しげな舞台に、一服の清涼剤…

ならぬ青天の霹靂の様な衝撃の一幕…

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勿論、客席サービスも欠かしません。

賑やかな事の大好きだった先生もお許し下さっている事と存じます。

 

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若扇流門弟の皆さん、本当に心を込めて家元を偲んで舞台に望まれていました。

一曲一曲、一幕毎に美和徳家元の思いが偲ばれて、涙無くしては見られない舞台でした。

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今回は、先生ととてもしたしかった巴流家元 巴舞翔先生はじめ門弟の皆さんも多数ご出演なさいました。

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一部の後半では、昨年最後の若扇会で先生が踊られた[花の生涯]を胡蝶も踊らせて頂きました。

これも生前先生がよく上演なさっていた曲の一つです。

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胡蝶も何度と無く踊らせて頂いております。

大好きな曲です。

要は立ち役で[石狩挽歌]を初役初演させて頂きました。

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いつもにも無く力強い立ち役の演目でしたが、細い体をものともせず立派に勤めました。

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又いずれ再演を期待しています。

そしてお扇さんは大月みやこのナンバーから[燃える恋]を…

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激しい女心を、しっとりと…そして、情熱的に表現します。

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数々の演目も進み、いよいよ第三部。

ここからは先生が生前御親交の深かった先生方によるご賛助出演の部です。

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トップバッターに宗山流として[偲艸名残若扇]と題した演目を上演させて頂きました。

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これは、毎年、桜の時期に開催される若扇会の思い出をイメージして胡蝶の[春の雪]からスタートです。

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踊りながら、これが最後の若扇会の舞台に立たせて頂いている時なのだとおもうと…

二十年来の沢山の思い出が一気に蘇って参りました…

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立錐の余地も無い客席のどこかに先生が見ていてくださる様な気が致しました。

そして二景目は要、扇の[大江戸花ごよみ]

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この二人も十年以上にわたり先生には沢山の御勉強をさせて頂きました。

そして、細やかな気遣いに触れ、感性を養って頂いた経緯が御座います。

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片肌脱ぎの緋縮緬の襦袢には肩口から宗山流の籠文字と定紋が染め抜いてある特別あつらえの物です。

こちらの演目も七日の三越劇場で御覧頂けますので、是非衣裳の方も重ねてお楽しみ頂きたいと存じます。

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着替えを済ませた胡蝶は[命さのさ]を…

白地に墨絵の波頭の裾引きで…

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締めくくりはもちろん、宗山流名物[隅田川ぞめき]を華やかに踊らせて頂きました。

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今回の追善の舞台の為に千鶴流宗家、千鶴美扇事、宗山流光もわざわざ台湾から駆けつけてくれました。

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今回、一念発起して8キロのダイエットに成功した光…

別人かと思うほどスッキリとして[北の漁場]を熱線致しました。

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昨年最後となった若扇会にも出演させて頂きました。

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引き続き、大先輩の家元の演目が続きました

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最後は昨年の会の折の最後のご挨拶となった美和徳先生の御挨拶の録音の肉声が会場を包み、千秋楽となりました。

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開演から六時間以上にわたり、大入り満員、立ち見の熱狂の中…

若扇流家元、若扇美和徳先生の追善公演は千秋楽となりました。

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故人を偲び、涙する事も含めて…

全てそれが追善公演の価値なのです。

胡蝶も今回、僭越ながら発起人を勤めさせて頂き…

半年の間、先生の生前の舞台写真等を編集させて頂き、プログラム制作等に携わらせて頂いた御陰で、より一層若扇美和徳先生を身近に感じることが出来ました。

改めて先生の優しさに触れることのできた半年でした。

いつまでも皆様の心の中に、踊り一筋の人生を全うされた若扇流家元、若扇美和徳先生の舞姿は生き続けることと存じます。

御来場の皆様、御出演の皆様、本当に本当にありがとう御座いました。

そして、若扇流家元、若扇美和徳先生、沢山の思い出と溢れる愛を…

有難う御座いました。

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いつまでも忘れません。

 

そして皆様、明後日七日は、いよいよ第十八回、宗山會…

三越劇場公演です。

御来場心よりお待ち申し上げております。

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